特殊部隊SATの入隊訓練が、
人生の高い基準に。
特殊部隊SATでは、一体どのような入隊訓練があったのですか?
10日間の入隊訓練で体重が8キロ落ちるほど、肉体的にも精神的にも追い込む訓練でした。特殊部隊のSATは、テロやハイジャックが起こった時に、誰よりも先に危険な状況へ飛び込むプロフェッショナルです。だから、訓練がそもそも肉体と精神の限界を味わわせる内容でした。何とか訓練は全日程クリアしたものの、心が折れて最終日の面接で辞退しました。
ただ、あの極限を超える10日間を経験したことは、その後の人生において、自分の心理的、肉体的における高い基準になりました。あれから20年経っていますが、何があっても「別に大したことじゃない、死ぬわけじゃない」と思える自分がいます。私たちが坪田塾の事業を通してやりたいことも、受験勉強を通して、子どもたちの中に人生の基準を作ってあげることだと感じています。
子どもたちの中に、
新しい基準をつくる仕事。
受験勉強を通して、子どもたちの中に基準を作る?
私達、坪田塾のスタッフは職業を聞かれた時に「塾講師」と答えることにちょっとした違和感があります。というのも、単に勉強を教えている訳ではないのです。むしろ、受験勉強は人生において大切な経験をするための手段なのかもしれません。
その大切な経験とは何でしょうか?
それは、自分の限界を超え、自信をつける経験です。坪田塾は、「ビリギャル」と呼ばれる一人の女の子で有名になりましたが、「ビリギャル」は決して一人ではありません。坪田塾に通う多くの生徒が、ビリから自分の限界を超えて成長していく「ビリギャル」なのです。思春期という多感な時期に、学校のテストの点数や偏差値を知らされる度、人生これからスタートなのに「自分はもうダメかもしれない」と感じている子どもたちがたくさんいます。決してそうではないんです。
確かに中学生になった途端、成績評価に晒される感覚があります。
意識するしないにかかわらず、成績の良し悪しで友人関係までも変わってしまいます。子どもたちによく伝える言葉があります。それは、「君の過去には興味ないよ」です。大人もそうなのですが、人生まだまだ始まったばかりの子どもたちも、過去の自分の実績にとらわれ、過去を基準にして未来を決めてしまいます。「あの時、あそこまでしかできなかったから、今回もそうだろう」みたいに。しかし、心理学的に考えても、その考えは間違っています。
例えば、偏差値を40アップさせて、慶應大学に入学できた子どもにとっては、過去の自分では想像もしていなかった場所にいるわけです。このように、「そんなの絶対無理!を、やればできたにする」経験をさせてあげて、何よりも今後の人生を歩む高い基準と自信を自分の中に作ってもらう。これが、私達、坪田塾が心の底から提供したいと思っている価値です。私が20年前に経験した、特殊部隊SATの入隊訓練のように。それは、その後の人生の大きな自信、支えになります。
ずっと何かの
初心者であり続けたい。
NEXT EDUCATIONの今後についてお聞かせください。
日本の教育のあり方を根本的に変える存在になりたいです。「誰に出会うか」で人生は一変します。そんな出会いと共に、生徒さんだけでなく、塾長、講師、スタッフみんなを含めた「塾生」同士が互いに切磋琢磨できる「居場所」を提供できる塾として存続し続けたいですね。
中野社長ご自身の将来の夢や目標はございますか?
坪田塾の教育メソッドを活かして、いろいろな会社のマネジメントや社員教育の事業などにもチャレンジしてみたいと思っています。将来、定年の年代を迎えたとしても、余生ではなく、ずっと「恩送り」をしたいです。坪田塾内でも「恩はその相手に返すのではなく、先に送っていこう」という文化があります。その方が、恩が広がっていくので素敵ですよね。
最後に、ご覧になられている方にメッセージをお願いします。
人生において何事も「遅すぎる」ことはないのだと思っています。始めた時がベストタイミング。何十年後から見た時に、今を転機にしてしまえばいいんです。死ぬ瞬間まで何かの初心者でいるような人生を、ともに歩んでいきましょう!
中野正樹(なかの まさき)/ 株式会社NEXT EDUCATION 代表取締役
坪田塾創業者・坪田信貴の右腕として、本部校の校長を務め、NEXT EDUCATION代表取締役に就任。米国の大学院で英語教授法の修士号を取得。「ビリギャル」の妹(上智大学合格)を含め、これまでに800人以上を“子別”指導し、保護者・生徒から絶大な信頼を得ている。